メキシコ出身のアーティスト、ガブリエル・オロスコ。彼はいつも、日常的に接するあたりまえのものをちょっといじって、ハッとしてしまうようなものに変えてしまう。水たまりの水を使って、地面にぐるぐると円を描く。スーパーに並ぶすいかの上に、猫のイラストが印刷された猫のえさの缶詰をいくつも乗せて、写真を撮る。シトロエンを切断して、一人乗りにしてしまう。交通渋滞の俯瞰写真の上ににゅるっとしたネンドを置く。技術的なことでいえば、実に簡単。しかし、当然、誰にでもできることではない。日常から何かを発見し、それを見るべきものへ変質させる力。これは特殊な能力だ。彼の作品を見ると、その後の日常生活はきっと違うものになるはずだ。水たまりが、単なる水たまりではなくなるのだ。
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